~みんなが主役!それぞれの個性を大切に~ ★山本 正浩さん★

国立障害者リハビリテーション病院 作業療法士(経験年数:28年)

 ?  作業療法士はどのようなお仕事ですか 

一人ひとりが身体、心、脳を使って、その人にあった日常生活活動や仕事や遊びなどの作業ができるように援助する仕事です。

 ?  作業療法士を志した動機は何ですか 

大学卒業後、埼玉で有名な家具店に就職しました。家具の搬送ではお客様の御自宅に上がることになります。その配送先で障がいをかかえて寝たきりの若者やその方に付ききりで介護するご家族がいることを知りました。今まで、障がいのある方はいないことが当たり前の環境で生活をしてきたので、その時、日本の社会では初めから健常者と障がい者を分けていることに気付きました。そして、このような人たちへ少しでも力になれればと思い資格を取りました。

 ?  障がい者スポーツ指導員を取得した動機は何ですか

2年前、同僚から2020年のパラリンピックに向けて所沢で応援する『所沢ユニバーサルスポーツ応援団』という活動に誘われたことがきっかけです。現在は、障がい者スポーツを知ってもらうために活動をしています。その一つに『エンジョイ障がい者スポーツinところざわ』というイベントがあります。体験を通して、お互いを理解してもらう場を作っています。

 ?  障がい者スポーツ指導員はどのような人が適していますか 

・一番は興味がある人だと思います。

・アスリートを育てるのであれば、指導能力やスポーツを熟知した人だと思います。しかし、そのような人はごく一部です。多くの人が楽しめるには、従来のルールを柔軟に変更し、楽しいスポーツにできる、遊び心と発想力のある人だと思います。

 ?  スポーツ(体育)とは何だと思いますか 

日常生活ができて+αでスポーツをするのではなく、楽しく活動できるスポーツができた延長に日常生活の行動ができるでもよいと思っています。

スポーツは目標を設定しやすく、自信が持て自己実現につながりやすいものだと思います。

 ?  印象に残った一言

スポーツの入り口は、こんなこともできる と思えることだと思います。楽しいと感じること、それが次の活動に繋がる、きっかけになります。

 ?  グッときたこと 
けがや病気で手足がうごかなくなったとき、元通りにならないと自分は何もできないという思いに支配される人が多くいます。しかし、ほとんどの場合、元通りには戻らないことが多いため、動くようになることを求めることが自分の役割だと思っていると、一生かかっても到達できません。

20代前半の男性がバイク事故で脊髄損傷のため手足が動かなくなり、うつ状態で何もできない、やろうとしない状態でした。しかし、自分と同じような状態の人がバスケットを行う姿をみて、ボールを拾い上げることから、練習をする中で、自分の役割を変革させていき、前向きに行動ができるようになりました。

みんなが主役です。どのように考え、何を追い求めるのか、患者さまが持つ役割意識の変容をテーマに日々仕事をしています。

・・・インタビューを終えて・・・

ただただ、感心、感動しました。人の個性を大切に、自分の仕事、活動にやりがいと自信を持っている、素敵な障がい者スポーツ指導員でした。

取材:平成28年6月26日 米山あゆみ